[本] 細かい伏線がカッチリとハマるコン・ゲーム小説
カラスの親指 (道尾秀介)
ふとしたことがきっかけで、一つ屋根の下で暮すことになった詐欺師二人と姉妹と姉の恋人の5人が 詐欺を目論む。 果たして詐欺は成功するのかそれとも...。
この手のコン・ゲーム小説だと読者は、登場人物たちが目論んでいるのはどんな詐欺なのか、その手口が明かされる謎解きと 計画した作戦は成功するのか否かというサスペンス性が読みどころなんだけど、どちらも申し分ない出来。 ラストで明かされるネガとポジがひっくり返される真相は、お見事。 すっかりこちらも騙されました。 それにしても相変わらず伏線のばらまき方と回収の仕方が巧い。 序盤こそ嫌な感じの話が続くけれど、その序盤があるからこそ、切なくてそれでいて希望を持たせるような結末で読後感もよかった。 コン・ゲーム小説の代表作の一つに数えられる作品。
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