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2009年8月 2日 (日)

[本] 古き良き時代の本格ミステリ


非実体主義殺人事件 (ジュリアン・シモンズ)



非実体主義を称する奇妙な芸術家集団の展示会で死体が彫刻の中から発見された。
犯人は誰か?
彫刻の中に死体を隠すような手間のかかることをしたのはなぜか?



ジュリアン・シモンズの長編ミステリ第一作。
語り手が章毎に代わったり、過去の名探偵に言及したり、趣向を凝らしたユーモア本格ミステリ。



一種のアリバイ・ミステリに分類できる作品だとは思うのだけど、
私は、かなり苦手(というかじっくり考えながら読むのが苦手)なため、結局、良くわからなかった。
それでも、謎解きは二転三転するので途中だれることはなかったし、
名探偵ならぬ迷探偵が登場するし(私はパロディが好き)、
彫刻の中に死体が隠された理由は自然だったし、最後の最後の逆転劇は凝っていたし、その後のエピローグにはニヤリとさせられた。



そもそも探偵たる者は人に記録されるものであり、その功績はむかしから三人称
もしくは、(不幸なめぐり合わせか、書き手の無鉄砲な独創性のためか)愚者の一
人称で語られることになっている。

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