[本] 回りくどいけど、とっつきやすくてわかりやすい実験計画法の入門書
実験計画と分散分析のはなし (大村平)
実験計画法の入門書。
冒頭の4分の1くらいのページ数で実験の心得のようなことを解説していて、なかなか本題に入らない。
実験計画法を適用しようとしても、そもそもの実験自体がダメダメだと、正しい結果は得られないよと忠告している訳で、これはこれで実践的とも言える。
普通の解説書だと解説用のデータが最初から用意されているところから始まるのだと思うが、この本はちょっと違う。
解説用の実験結果のデータを作ることから始まるのだ。
まず、神様の立場になって、実験結果の数値が全て同じデータから始めて、要因Aによってデータを変化させ、
要因Bによってデータを変化して、誤差を加えて、解説用のデータ(実験結果のデータ)を作り出す。
次に、解説用のデータがどうやって作られたかわからない人間の立場になって、
このデータを元に分散分析の手法を用いて、要因Aや要因Bや誤差に関することを順序立てて解説しながら求めていくのである。
この辺がとっつきやすくてわかりやすいところだと思うのだが、逆に回りくどく感じてしまう人もいるかも知れない。
できる限り機械的な公式や難しい数式など使わないで順序立てて分散分析の計算をやるというのが本書の特徴なので、
手っ取り早く効率良く分散分析の計算をしたいという人にはあまり向かない本です。
逆に実験計画法とは何か、分散分析とはどういうものか知りたい人、公式は苦手という人にはオススメ。
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