[本] 全く推理をしない探偵
貴族探偵 (麻那雄嵩)
やんごとない身分の探偵が登場する連作短編ミステリ。
似たような趣向が西澤保彦の作品にもあったような気がするが、
こちらの作品の方がいい意味でも悪い意味でも徹底して探偵が探偵として機能していない作品になっている。
機能しない探偵を究極まで押し進めたのがこの作品。
押し進めすぎて、探偵の存在に意味がないように思えてくる。
ここまでとんがってしまった探偵の設定には、ちょっとついていけなかった。
探偵が探偵として機能しないミステリという趣向は、
エリザベス・フェラーズのトビーとジョージシリーズぐらいに留めておいた方が一般受けしそうである。
まあ、ミステリとしては、そこそこ面白かったんだけどな。
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