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2011年4月23日 (土)

[本] 初コナリー、初ボッシュ

Echo Park (Michael Connelly)

別件で逮捕された男が死刑を免れるために行方不明となっていた女性の殺害を自白した。 かつて、その女性の行方不明事件を担当したのがボッシュだった。 果たしてその男は、本当に女性を殺害したのか、それとも他に真犯人がいるのか。 ボッシュは、その男の自白の真偽を確かめるために、その男と対峙することになる。

逮捕された男は、なかなか登場してこない。 調書(捜査資料)を通じてプロファイリングにより、男の姿が浮かび上がってくるのだが、 かなり不気味で狡猾な男であるように描かれていた。

当然ミステリー読みとしては、男の自白を信じる訳もなく、裏に何かあるに違いない、 何を企んでいるのか、男はどうやって逃げ切るつもりなのかとワクワクしながら読み進むのだ。

だが、結局のところ、男が登場してからは、あっと驚くような仕掛けはなく、 意外と男が小物な感じで想定の範囲内に納まってしまった感じがした。 確かに意外な黒幕が隠れているのだけど、事件の全体の構図は、 予想の斜め上を行くほどのものではなかった。

前半、男の存在が不気味に感じられただけにちょっと残念である。 初コナリー、初ボッシュだったのだけど、続けて他の作品に手を出したいというほどではなかった。

"I like it," he said. "I don't think I've ever had a guradian 
angel before."

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[本] れっきとした本格ミステリになっている時代ミステリ短編集

柳生十兵衛秘剣考 (高井忍)

時代ミステリというと何となく「時代」の方に重点が置かれミステリは、おろそかにされているんじゃないかという勝手な思い込みが自分にはある。 ましてや、柳生十兵衛が主役なのである。 もう時代小説というか剣豪小説というかその手の小説にほんのちょっぴりミステリ的な味付けをしただけの代物ではないかと思ってしまう。 だが、『漂流巌流島』の著者に限って、そんな紛い物のミステリを書く訳はないのだ。 一読してみればわかる通り、そんじょそこらの「ミステリ」なんかよりよっぽど本格ミステリ短編集として楽しめる作品に仕上がっている。

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[本] 職場復帰したダルジール警視の長い1日

午前零時のフーガ (レジナルド・ヒル)

一読者としては、死の淵をさまよったダルジール警視がようやく職場に復帰してくれた、とうとう帰ってきたかと感慨ひとしお。 入院による体力低下からか、ちょっぴり自信を無くし、パスコーとの力関係も微妙な感じになってしまったダルジールが徐々に本来の調子を取り戻していくまでが描かれている。 もちろんプロットの方も用意周到な伏線が張られていて、たった1日の出来事とは思えないほど濃密なミステリに仕上がっている。 さすが、ヒル。

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[本] SRの会 2010年度ベスト5発表

今回は、ちょっといろいろあって、投票できなかった。
今回特筆すべきなのは、国内ミステリ、翻訳ミステリともに第1位になった作品を私が全く知らなかったことである。
出版されたことも知らなければ、そんな作家の存在すら知らなかった。
もう本格ミステリファンとしてはどんだけダメダメなんだ>自分。


というか、多分、このミスとか文春とか本格とか他のミステリベスト10では、両作品ともランク外作品なのではないか。
それだけマニアックな本格ミステリ通好みの作品が1位ってことかも知れない。


ちなみに、SRの会の順位の決め方であるが、



  1. 会員は、2010年に出版された新作のミステリであれば何作投票してもよい。

  2. 会員は、それぞれの作品に対して10点満点で点数を投票する。

  3. 作品の順位は、その作品の総得点÷ 得票数(つまり平均点)の高い順になる。

  4. 最低でも得票数は総投票数の1割に達していなくてはならない。


つまり、仮に私だけがある作品に10点満点で投票した場合、平均点は、10点÷ 投票数1 = 10ポイントとなり
最高ポイントになるのだが、投票数が1のため得票数不足でランク外となってしまう。


今回の翻訳ミステリのベスト10の顔ぶれを眺めてみたところ、
原書で読んでいた作品の1つが第3位、
原書で読んでいた別の作品が、ランク外(得票数4)の第3位、
翻訳で読んでいてミステリベスト10に入るだろうと予測した作品が第6位、
出版されたことは知っていたけど、(狭義の)ミステリじゃなさそうなので、手を出さなかった作品が第4位
となっていた。


国内ミステリでは、
読んでいた作品は、2位と3位と8位と10位、一瞬、読もうかと思ったのだが、前作よりもミステリ味が薄いという評価を読んで手を出すのをやめた作品が7位だった。


次回は投票しよう。だって、投票しないより投票した方がより参加している感じがして楽しさが増すから。

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