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2011年6月25日 (土)

[本] 大技小技トリックを織り交ぜた音楽エンタテインメント小説

さよならドビュッシー (中山七里)


大技小技トリックを織り交ぜたミステリであり、
ピアノのコンクールに挑む一人の少女の青春小説であり、
クラシック音楽の魅力を文章で表現したエンタテインメント小説。


どこかで書評を先に読んでいたせいか、ミステリずれしているせいか、
大技トリックの1つは想像がついてしまった。
有名な海外の作品にも似たようなトリックが使われていることもあり、
ミステリ慣れした人なら想像がついてしまうと思う。


まあ、でもそんなことはどうでもいいのだ。
この小説の魅力はトリックだけではない。
音楽コンクールに挑む一人の少女の成長を描いた青春小説として楽しめる。
また、音楽の魅力と音楽家を目指す者の凄絶さを描いたエンタテインメント小説にもなっている。
大技トリックがわれたところで、それでも余りある魅力に溢れた小説なのである。


岬洋介を主人公にしたミステリはもう1作あるようだが、いつか主治医の新条を主役に据えたミステリも読んでみたい。


「練習をこなしたり曲を理解するのも大切だけど、やっぱりまずは好きになること
じゃないかな。どんなに頑張っても、人間は嫌いなものにありったけの情熱なんて
注げられないから。」

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