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2011年7月 3日 (日)

[本] 昔懐しい古き良き時代のワクワクする冒険物語

四十面相クリークの事件簿 (トマス・W・ハンシュー)


江戸川乱歩の怪盗二十面相のモデルにもなったらしい四十面相クリークが数々の犯罪を解決する冒険物語。そう。この本は推理小説ではなく冒険物語である。本格ミステリを期待しながら読むと、伏線の張り方がアンフェアで、がっかりする。むしろ、子供の頃にワクワクしながら読んだ古き良き時代の冒険物語として楽しむべきである。


「ホームズのライヴァル」という触れ込みだが、私が連想したのは子供の頃に読んだモーリス・ルブランの怪盗紳士アルセーヌ・ルパン。プロローグで警官の手から逃れるために仕組んだ一芝居などまさにルパンそのもの。可憐で清楚な魅力的な女性が登場して、その女性のために活躍するという展開も似ている。


実はルパンシリーズにも、ルパンが犯罪を暴く探偵役を務める短編がいくつかある。ただルパンとクラークの違いは、その立ち位置である。


ルパンは探偵役を務めつつも犯罪を暴く度に、表沙汰にできない金を奪うなど莫大な報酬を得ていて、単なる正義の味方ではなくやはり怪盗紳士という立場を貫き通す。


一方のクリークは心を入れ替え、正真正銘の探偵として活躍し報酬も望まない。たとえ報酬を得たとしても、その報酬は盗難の被害者たちへの返済に使っている。そんなクリークを受け入れてしまう周囲の人間も含め、ルパンに比べると全くもって甘っちょろい。


それでもどこか懐しい古き良き時代のルパンやホームズの冒険物語と同様の魅力が本書にもある。

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