[本] 期待通りのワクワク感が楽しめ、期待を裏切る結末が待ち受けていたミステリ
- 緑ヶ丘小学校大運動会 (森谷明子)
『緑ヶ丘小学校大運動会』。 このタイトルからして小学校が舞台になっていることはわかる。 あらすじを読んだ時点で主人公の一人は小学生のマサルであることもわかる。 これはもう期待するしかない。 ミステリー・ランドのような子供向けでありながら大人も十分楽しめるミステリー小説を。 あるいは米澤穂信の古典部シリーズの『クドリャフカの順番』にある料理対決のワクワクしたサイドストーリーを。
かなり期待しながら読んだのであるが、これが面白い。 飽きさせない。 舞台は緑ヶ丘小学校。運動会当日。 小学校6年生のマサルが優勝杯の中から偶然見つけた薬の入ったビーズの箱。 なぜそんなところから薬の箱が見つかったのか名(迷)推理を披露するマサルの同級生ヒロシ。 運動会の真っ最中に殺人事件の証拠かも知れない薬の箱を大人達に見つからないように、どこに隠すか知恵を絞るイッキやカオル。 終盤まで一気読みしてしまった。期待通りである。
ワクワクする展開は期待通りだったので、実は、××だったという甘っちょろいエンディングを期待していたのだが、 最後の最後に明かされる真相は実に凝っている。いい意味で期待を裏切るエンディング。 さすがに時代謀略ミステリ小説を書く作者だけのことはある。
だが、残念なことにその真相の後味が悪いのである。 現実はそんなに甘っちょろいものじゃないかも知れないけど、せめて小説の中だけでも、もうちょっと後味の良いミステリーにしてほしかった。
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