Awakening (S.J.Bolton)
毒の目覚め (S.J.ボルトン)の原書。
例年、年末年始には、ジェフリー・ディーヴァーの新作を読むのが恒例となっていたのだけど、今年はパス。
Kathryn Danceシリーズの新作『XO』の評判がイマイチな感じなので、見送ることにした。
代わりに年末年始に読むことにしたのがコレ。
もう最初から面白さ全開。
獣医のクララが次々と現れる毒蛇と対決するシーンは緊迫感がありスリル満点。
赤ん坊を救う場面など、まさに手に汗握るシーンとはこのこと。
次から次へと事件が起こり、読んでいて中だるみが全く無かった。
次の章への引っぱり方も巧みで、続きが気になって仕方がなかった。
謎解きミステリとして読むと疵があるように思うけど、サスペンス・ミステリとして読めば文句なし。
二転三転する事件の真相も面白かったし、真犯人の動機も納得できるものだった。
イギリスの田舎が舞台ということもあり、古き良きゴシック・ミステリの雰囲気がある。
毒蛇に象徴されるようなじわじわとくる恐怖感もある。
それだけだと重苦しい感じなのだが、クララが次々と窮地に立たされるため、スピード感のあるサスペンスに仕上がっている。
さすがメアリー・ヒギンズ・クラーク賞受賞作だけのことはある。
十分にジェフリー・ディーヴァーの代役を務めてくれた。満足。
英語はイギリス英語なのだが読む分にはさほど気にならなかった(そもそもcenterとcentreの違いくらいしか知らない)し、
英語そのものは易しい方だった。
その点でもジェフリー・ディーヴァーの代役にぴったりだった。
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