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2013年3月20日 (水)

[英語][本] 英語で法廷ミステリを読んだ

Missing Witness (Gordon Campbell)

逆転立証』の原書。 法廷ミステリというとなんか難しい印象を持っていたのだが、コレは違った。 法廷シーンは派手じゃなかったけど、シチュエーションは興味深いし、中盤の展開には引き込まれた。

法廷ミステリは難しいという印象があった。 しかも原書で読むとなると相当手強いんじゃないかとちょっとおっかなびっくり手を出した。 だけど、この作品はそんなに難しいとは思わなかった。 面白さの前には難しさも吹っ飛ぶのだ。

なんといってもシチュエーションが興味深い。 状況から想定される殺人犯人は12歳の娘かその母親のどちらか。 殺人の目撃者は存在せず、状況証拠から起訴されたのは母親。 弁護士はどうやって無罪を勝ち取るか。これが前半の見せ場。

更に面白くなるのは中盤の判決が出た後。 判決の決めてがあっさりしすぎていて都合が良すぎると思ったのだが、それがまさか、後半への伏線だったとは、全く想像もしなかった。 判決後、ある登場人物の一言からすべてがひっくり返ってしまう中盤の展開は面白かった。

惜しむらくは結末。冷静に考えてみれば、相当にありえない結末だけど、法廷ミステリとしては想像できてしまう。 たとえ結末が予想できても、そこにどうやって着地させるか弁護士の論理が読みどころのはずなのだが、ちょっと物足りなかった。 ミステリを読み慣れた当方としては、もう一捻り何か欲しかった。 素材(シチュエーション)は良いので、料理の仕方次第ではもっと面白くできたんではないかなと思う。

あと、大したことではないのだが、エピローグはちょっと余計な気がした。別になくても良かったんじゃないか。

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