2015年2月15日 (日)

[Ruby] Rubyのしくみ - Ruby Under a Microscope -

Rubyのしくみ -Ruby Under a Microscope-

C言語を使わずにRubyの内部構造を解説した野心的な本。 C言語がわからないという人も大丈夫。 Rubyの内部構造を知りたい人にオススメできる唯一の本!

以下、ざっと斜め読みしてみただけの感想である。

オブジェクト指向スクリプト言語Rubyは、C言語で実装されている。 (Javaで実装されたJRubyとかRubyで実装されたRubiniusとか、まあ、他にもあるけれど、本家本元はC言語で実装されている。)

Rubyの内部構造を解析した本としては2002年に出版された『Rubyソースコード完全解説』という本がある。 この本は、相当に硬派で、C言語の知識がないと読めない。 Rubyのソースコードを解説しているのだから当たり前である。

それ以降Rubyの内部構造を解説した本というのは存在しなかったが、10年以上の時を経て、Rubyの内部構造に迫る解説書が登場した。

本書は、内部構造を解説した『Rubyソースコード完全解説』の改訂版ではない。 アプローチの仕方が全く違う。 C言語を使わずにRubyを使ってRubyの内部構造に迫るという野心的な解説書である。 Rubyの機能を駆使して実験をして、豊富な絵や図を使って、Rubyの内部構造に迫っている。 C言語を知らなくても、この本を片手にRubyを動かし、自分で実行結果を確認しながらRubyの内部を探検することができるのだ。

良くこんな本が書けたなと感心した。 と同時に、この10年でRubyの内部構造を探検できる機能をRuby自身が提供するようになったのだなとなんだか感慨深い気持になってしまった。

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2013年1月 5日 (土)

[本] 今年はメアリー・ヒギンズ・クラーク賞受賞作

Awakening (S.J.Bolton)

毒の目覚め (S.J.ボルトン)の原書。

例年、年末年始には、ジェフリー・ディーヴァーの新作を読むのが恒例となっていたのだけど、今年はパス。 Kathryn Danceシリーズの新作『XO』の評判がイマイチな感じなので、見送ることにした。 代わりに年末年始に読むことにしたのがコレ。

もう最初から面白さ全開。 獣医のクララが次々と現れる毒蛇と対決するシーンは緊迫感がありスリル満点。 赤ん坊を救う場面など、まさに手に汗握るシーンとはこのこと。

次から次へと事件が起こり、読んでいて中だるみが全く無かった。 次の章への引っぱり方も巧みで、続きが気になって仕方がなかった。 謎解きミステリとして読むと疵があるように思うけど、サスペンス・ミステリとして読めば文句なし。 二転三転する事件の真相も面白かったし、真犯人の動機も納得できるものだった。

イギリスの田舎が舞台ということもあり、古き良きゴシック・ミステリの雰囲気がある。 毒蛇に象徴されるようなじわじわとくる恐怖感もある。 それだけだと重苦しい感じなのだが、クララが次々と窮地に立たされるため、スピード感のあるサスペンスに仕上がっている。 さすがメアリー・ヒギンズ・クラーク賞受賞作だけのことはある。 十分にジェフリー・ディーヴァーの代役を務めてくれた。満足。

英語はイギリス英語なのだが読む分にはさほど気にならなかった(そもそもcenterとcentreの違いくらいしか知らない)し、 英語そのものは易しい方だった。 その点でもジェフリー・ディーヴァーの代役にぴったりだった。

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